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2015年10月23日金曜日

どこまでひらくのかがもんだいだ


何処まで開くのかが問題だ

文芸の世界では漢字をひらがなに直すことを「開く」といいます。

僕がどういうときに開くかというと、まずは難読漢字。これは開いた方が親切ですよね。
あとは漢字が多くなって、どことなく堅苦しい雰囲気の文章になったとき。
読みやすい文章を書くためには必要なことだと思います。

ただ、この開くという技術はなかなか難しい。
漢字がひらがなになっただけでも、文章のリズムと印象が変わってしまうのです。
ひらがなが連続することで逆に読みにくくなってしまうときもあるし、それを解決しようとして読点を入れると、これまたリズムが変わる。
(そしてまた漢字に戻してみると、やはり読みにくい)
ひらがなが多くなると優しい印象を受けますが、逆に多すぎると間の抜けた感じになってしまいます。

その点、プロの作家たちは、あえて開く漢字、あえて開かない漢字を巧みに使って、自分の文体を作り上げていきます。

漢字の選択にしてもそう。
たとえば"からだ"には"体"、"身体"、"軀"…など、同じ意味でもいろいろな漢字があります。
その中のどれを選択するかが、文章から浮かび上がるイメージを決定づけるひとつの要因になっているな、と感じることがよくあります。
選択肢は多くあれど、作家にとって自分の表現に必要な漢字は決まっている、ということですね。

例文
「私はからだを横たえた」
「私は身体を横たえた」
「私は軀を横たえた」
同じ意味でも、ちょっとイメージが違いませんか。
さらに開く/開かないの選択肢でバリエーションは増えていきます。

ブログも少し記事が溜まるぐらいには書いてきましたが、まだまだ理想とする文章には程遠いですね。
みなさんにわかりやすいレッスン記事を読んでもらうため、そして自分自身のためにも文章のブラッシュアップを続けていきたいと思います。
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